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身近な食品“鶏卵”の生産現場から ~現状と課題~
有限会社 熊野養鶏 代表取締役   熊野 憲之 氏

【目的・要旨】

講師 熊野憲之氏

鶏卵は、安価で身近な蛋白源である。60年以上前から小売価格がほぼ変わらないため、「物価の優等生」といわれる。その鶏卵の生産現場はどうなっているのか、現実を生徒に理解させ、ものの値段とその価値の関係について考えさせたいと思い、この講座を実施した。広い視野で自分の「食」を見つめ直す機会としたい。現在、衛生上の問題から立入りが禁止されている養鶏場の様子をスライドで知ることができた。
[1]赤玉品種の国産鶏「もみじ」
熊野の養鶏では、現在15,000羽の採卵鶏の飼育を行っている。大手の養鶏場では、10万羽~100万羽の飼育をしており、これらの大規模な養鶏場に負けない経営をしていくためには、大手とは違った工夫が必要となる。鶏や飼育方法に付加価値をつけることもそのひとつだ。現在、国内で飼育されている採卵鶏のほとんどは、海外で育種改良された鶏である。しかし、熊野養鶏では、国内の飼育が2~4%といわれる純国産鶏にこだわっている。純国産鶏には、「もみじ」と「さくら」という品種があるが、「さくら」は白玉の品種で輸入鶏の白玉と区別されにくいので、消費者に一目で純国産鶏の卵と分かる赤玉の「もみじ」を採用し、他との差別化を図っている。また、飼育方法は、大手養鶏場が1ケージに2羽飼いであるのに対し、1羽飼いや平飼いとし、鶏にとってストレスのない飼育方法をとることで付加価値のついた美味しい卵を生産し、価格が高くても消費者に支持される価値ある卵を販売し利益を出している。

「塩味ちゃん」を試食する生徒

[2]飼育は「オールイン・オールアウト」
 熊野養鶏での飼育方法は「オールイン・オールアウト」方式である。雛から大事に育てた健康な鶏を一斉に鶏舎に運び入れ(オールイン)、採卵鶏として役目を終えた鶏を一斉に鶏舎から出す(オールアウト)。その後、鶏舎の洗浄・消毒を行い、空舎期間をおく。また、鶏舎ごとに年齢の違う鶏を飼育するなど様々な工夫をすることで、手間はかかるが、病気の発生や斃死率を抑えて、利益に繋げている。
[3]環境に配慮した飼料「エコフィード」
 飼料として輸入のトウモロコシに頼るより、蛎(かき)殻(がら)や昆布を使用したり、未使用資源である米糠(こめぬか)やおからを使った発酵飼料(エコフィード)を自社生産したりすることで飼料代を抑え、自給率を高め、卵の味にコクを出し、鶏の斃死率を下げることができる。また、卵の70%は水分のため、水にもこだわり美味しい卵を生産している。
[4]安定した経営のために
講師は、父親の経営する熊野養鶏を引き継ぎ、愛媛県内で小規模の養鶏場が次々倒産する中で、生き残りをかけて小規模独自の付加価値をつけた鶏卵生産を行ってきた。現在は鶏卵生産だけでなく、たまご専門店「熊福」の経営も行い、自社の卵の加工品販売も手がけ、経営の安定化を図っている。誠実に飼育した場合、最低でも卵1個に20円は必要であり、それを考えると、スーパーでの1パック(10個)98円などという販売価格はあり得ない。安く売るために現場がしわ寄せを受けているという現状がある。また、講座では、商品のひとつ「塩味ちゃん」(塩味のゆで卵)の試食が行なわれた。

 

【生徒の感想】

○ トウモロコシやパプリカを与えると黄身が黄色になり米で育てると白くなるなど、飼料で黄身の色が変わることを知った。また、飼料を変えると卵の味まで変わると知って驚いた。
○ 塩味のゆで卵「塩味ちゃん」を試食させていただいた。半熟でしっとりとした卵がとてもおいしく感じられた。経営を安定させるため、卵を販売するだけでなく、塩味ちゃん他、色々と卵に付加価値を付けて自分で販売していることなど経営の工夫を知った。
○ 熊野養鶏では、大規模養鶏場が実施していない、品質にこだわった卵の生産をしていることがすごい。雛から育てることやケージの中の1羽飼いや平飼い、餌に発酵飼料を混ぜることなど、こだわりを持って、鶏に優しい飼育法が特に印象的だった。安価な卵と高価な卵の違いも分かったので、これからは価格だけでなく「食の安全」や生産現場のことも考えながら買い物をしたい。

                        

2019年1月17日
 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

 

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